私には77歳になるおばあちゃんがいます。ひとり暮らしをしていて、年1回は絶対会うぞ!!と決めています。
が、コロナが猛威をふるっていた2021年。地元・沖縄に突然帰れなくなりました。
母によると、仕事もやめ、コロナで人にも会わずすっかり気が滅入っていたようです。
これはなんとかせねば!ということでスマホをプレゼントし、遠隔でおばあちゃんにLINEを教えることにしました。
結果、以前よりめ〜ちゃくちゃおばあちゃんとのコミュニケーションが活発化したので、その記録です。
文:よざひかる(ライター)
おばあちゃんはずっとガラケーで、スマホを触ったことがありません。
しかも今回は遠隔でLINEを教える...というむちゃくちゃ不安な条件があったので、まず私の方でスマホを購入&アプリダウンロードまで行いセットアップを済ませました。
↑アプリも最小限に。SIMも安いものを契約して、LINE特化スマホの爆誕です。
LINEの友達追加もあらかじめしておき、スマホをおばあちゃんのお家に送付完了!
LINEの操作については電話で説明していきます。
私「おばーちゃん、スマホ電源ついた?」
祖母「ついたけどなんか怖いさーーーーできるかねーーー文字も苦手だけど・・・・・」
私「とりあえずLINEってマーク押して、私の名前おしてみて(トークルームに誘導)」
祖母「うん、できたよ」
私「じゃあ今私がメッセージ送るから画面みててよ」
↑すぐ既読がついた!!!ばあちゃんLINE見れてる!!
私「えーー!!!ばあちゃんLINE見れたじゃん!!!すごいじゃん!!!」
祖母「ねぇ...ちょっとまってこれ......」
私「え?」
祖母「これ......使えたらすごく楽しいんじゃない!?!??」
完全に祖母のスイッチが入る音がしました。
LINEの凄さをたたみかけて伝える為に、すかさずビデオ通話をかけます。
私「おばーちゃーーん!!!」
祖母「わあああああああああひかるーーーー!!!!!!!!」
これがビデオ通話をはじめて知った人の笑顔です。喜びでブレまくり。
完全にLINEの"良さ"を把握したおばあちゃん。
その後はもうあれよあれよという間にキーボード入力を覚え、
私「◯◯◯(妹の名前)って打って妹に送ってみて」
祖母「◯◯◯だいすき、まで打ちたいんだけどどうしたらいい?」
などの満点祖母ムーブを決めながら、1週間ほどかけてキーボード入力、写真送付、スタンプ送信、ビデオ通話まで覚えました!天才か!?
↑実際の妹へのLINEは「らいすき」で送られました。妹が「きゃわえええええ」と悶えていました。
おばあちゃんがLINEを始めてしばらくたちました。だいぶ慣れたようですが、やはりキーボード入力が苦手なようです。
すっかり孫の私たち+母がいるLINEグループを眺めるだけになったおばあちゃん。
↑母が毎日散歩でみつけた花々の共有が主のグループ。
おばあちゃんからは「ありがとう」「おはよう」などの短文だけ月2のペースで送られてくるようになりました。やっぱり入力は難しいんだな。
ただ、ビデオ通話の習慣ができました。これだけでLINE導入の価値はあったな...と満足していた矢先、帰省した妹から「音声入力教えるわ」と急に連絡が。
音声入力...?と思っていると
「おばあちゃんが喋った!!!」と急に家族LINEがすごい盛り上がりに。
自分がキーボード入力しか使わないので、音声入力の存在をすっかり忘れていました。そういえばLINEにはボイスメッセージもあります。全部忘れてた。
スマホが苦手なおばあちゃんにとってはだいぶ革命だったようです。
↑「弟の誕生日を祝いたかったのに、たんじょうび、が打てなくて悲しかったけど、これでおめでとうって送れる・・・・」と感動するおばあちゃん。いいやつか?
↑その後「なぜお姉ちゃんは音声入力から教えてくれなかったのか?」とプチクレーム動画が妹から送られてきました。ごめんって!!!
76歳でLINEをはじめてもうすぐ2年。感想をおばあちゃんに聞いてみます。
↑「インタビューする」と言ったらまあまあ綺麗な服で現れたおばあちゃん
私「LINEとかスマホって使ってみたいと思ってた?」
祖母「うん、実は知り合いに相談したことあるんだけど『無理』って言われて...諦めてたわけさー。その時に仕事もやめて、コロナも入って、人と会わなくなって、あの時は落ち込んだねー」
私「めっちゃさみしいじゃん」
祖母「だから毎日写真に話しかけてたよー」
↑祖母が毎日話しかけていた特製の「孫写真棚」
私「じゃあ初めてビデオ通話した時とかうれしかった?」
祖母「本当にうれしかったさー!!ひとりで誰とも話さずに生活して、テレビとラジオだけで過ごしてたから、顔が見れて本当にとてもうれしかった」
祖母「『生きててよかった、絶対がんばるぞ』『なんて素晴らしい世の中なんだろう』とまた思えて、人生が変わった気がしたんだよ」
私「・・・大げさじゃない???」
祖母「本当だってば!!!!!」
すぐキレられる。
祖母「本当に誰にも相談できなくてすごくさみしい時期があった。そこでLINEでみんなの会話とかみてうれしかった」
祖母「自信を持って新しいことをやってみるって、大事なんだって思ったんだよ」
はじめは「無理だ」と言われてかなりスマホを警戒していたらしい。実際、到着して箱を開封するまでにもかなりタイムラグがありました。
だけど、教えてもらいながら練習したら使えたので「新しい技術を学んで生活するのも大事だ...」と身に染みたみたいです。送ってよかった〜
祖母「あとさぁ、なんで最初から音声入力教えてくれなかったの?」
音声だけめちゃくちゃ根に持たれている。ごめんってば!!
私「やっぱり音声入力すごかった?」
祖母「文字の読み書きに自信がないから、キーボードはむずかしかったし、漢字の変換もむずかしかったよ」
祖母「音声だと喋った言葉が文字になるから勉強にもなるし、本当にLINEが音声で入力できるやつでよかった・・・」
私「LINEがくるたびに音がなるのはうるさくない?あんまり送ると邪魔かなって」
祖母「ぜーんぜんうるさくない。楽しみ。たまにテレビから似たような音がするとビクってなって、スマホ見に行って、誰も喋ってない・・・ってしょんぼりするのがよくあるさー」
私「そうなの!?遠慮しなくていいんだ!」
祖母「しなくていいよ!いつでも送ってほしい」
いまだに年1、2回のペースでしか祖母には会えません。そんな中で思い切ってスマホを贈って本当によかったです。
LINEは会話のバックアップが取れるので、おばあちゃんとの会話は全部保存しておけます。
また、ビデオ通話もスクリーンショットや録画などをして話すたびに保存しています。これは本当にありがたい・・・。
↑最近我が家にやってきた猫と通話した時の様子。一生懸命話しかけておもしろかった。こういう様子も保存しておけるので遠くにいても思い出が増えて最高!
あらかじめダウンロードしてスマホを渡せば、遠隔でもLINEを教えることができました。
今までデフォルトのスタンプを使っていたおばあちゃん。
が、突然弟からスタンプのプレゼントがあったとのこと。
妹が電話ではなく、LINE上でダウンロードをガイドした様子で終わります。
↑音声入力を覚え、受け答えはばっちりのおばあちゃん。妹も励ましながら教えています。偉い。
↑妹、スクショを使って指示。
↑混乱するおばあちゃん。がんばれ!! © '23 SANRIO CO., LTD. APPR. NO. G640010
↑お!?なんかできる予感!? © '23 SANRIO CO., LTD. APPR. NO. G640010
↑急にスタンプ送られてきた!!!!!妹も褒めまくって労っています。 © '23 SANRIO CO., LTD. APPR. NO. G640010
このように、きちんと手順を踏めば機械が苦手な方でも使えるかもしれません。相手ができた時の異常なうれしさをこちらも味わえます。
ぜひ年齢に関係なく、祖母・祖父ともLINEチャレンジしてみてください〜!